おうちでできる美術教育

こんにちは。
や〜「美術教育」ってナンなんでしょう。
「美術」って?
「美しい」「術」って?
ちょっとこれがまたちょっとむつかしいのですが、美術という言葉は明治時代になってから西洋の「アート」という意味の言葉の訳として作られたことばなんだそうです。
「美しい術」というと、実は誤解を招きがちですが、正しくは「美術」=「視覚芸術」のことを言い、実は「美しい」という意味はありません。
このことがちょっとネックだなあと思ったことがあります。
ぷっちこっぷは「美術教室」で、「美術教育」をする場な訳ですが、別に「美しい表現 を勉強する」場所なわけではないのです。
日本社会でも、中学高校で教科として「美術」がありますが、その言葉の捉え方を間違えたくないな〜と思っています。

さて本題に戻って、「美術教育」ってナンでしょう??
ここでは「子どもの美術教育」とします。
私が思うに、美術教育という場の役割はふたつあります。

1、感じる力、見る力を養う場
2、表現し続けていいんだよと伝える場

ふたつとも、人生を助けてくれるとっても大切なものだと思います。
このふたつが教えられる場さえあれば、あとは子どもたちが自分で作り、描き、表現していってくれると思うのです。

…とまあ持論をつらつらと書きましたが、今日ご紹介する「おうちでできる美術教育」について、「2、表現し続けていいんだよと伝える場」としての観点から、ほんの少しですが思いついたことから書いていってみますね。

見て、そしてほめるのだ

すごく簡単げなことを言います。
ほめれば良いです。
子どもがかいたもの、作ったもの、どんな小さなことでもいいです。
例えば「ぐちゃぐちゃの絵」。
えっ、こんなぐちゃぐちゃ?って思っちゃいけません。
セリフは一つでいいです。
「わあ〜、たくさんかけたね!」
これは、どんなものに対しても使える言葉です。
この「わあ〜」が重要です。
実はほめる、と言っても、「上手」「うまい」は禁句です。
ただ「かけた」という事実を拾って、感嘆詞と共に伝えてください。
一色した使っていなくても。
紙の端っこにしかかいてなくても。
ナンだかわからなくても。
(注:私は内容を吟味した上で技としての「巧い」を言うことがあります。)

では、色を何色か使って、人のようなもの?をかいていた時。
「わあ〜、たくさんかけたね!ここには赤も使ったんだね。この緑もステキ。これは人かな?だあれ?」
上手、うまいは一度も使わず、じゃあ何をしているかというと、子どもの絵をまずよく見ていますよね。
見ていないと、こういう声がけはできません。
とにかくよく細部まで見る。
かすかな丸、かすかな点が、何かの意味を持っている場合があります。
もしそれを聞き出したかったら、まず「お母さん(お父さん)見てくれているな」って子どもが思わないといけません。
親がきちんと本当に絵を見てくれているとわかったら、子どもからたくさん話してくれます。

この時、してはいけない声がけは…
「他の色も使わないの?」
「(紙の)こっちまだ空いてるよ」
「(第一声から)これ何?」

以上は、決して否定の言葉を使っていませんが、じつは否定していることに近くなってしまいます
これを小さい時から繰り返されると、表現すること自体がイヤになってしまいがちです。
だからとにかく「感嘆詞」と、「かけたこと」の事実を認める声がけ、心から子どもの絵に興味を持ってよく見て、きちんと見ていることを伝える、を心がけてみるのが良いと思います。
「表現し続けていいんだよと伝える場」であるために。

基本的には、ほんとにこれだけでいいんじゃないかなーと思います。
おうちはそんな美術教育の場であって欲しいと思います♪