白が一番大事

白が一番大事

夏、高校時代の恩師の個展に行ってきました。

個展があることを、母が新聞でたまたま見つけて教えてくれました。

竹内先生と会うのは15年ぶりくらいです。

この大好きな「舞妓」がまた見られるなんて、感動です。

この方は、山田かまちさんの才能を見出した恩師でもある竹内先生です。

私の高校時代の美術の非常勤講師で、先生との出会いが私をだいぶ変えてくれました。

優等生でしかなかった私の、殻が破れたというか。

簡単に言うと… 「人生は自由なんだ〜〜〜!!」っていう感じです。

先生のアトリエではよく、木炭デッサンをしつつ、宇宙の話とか、アメリカの戦争の話とかをしながら、囲碁を打っていました。

懐かしい青春です。

 

この日はちょうどギャラリートークがあり、先生自らが師事した方の、釈迦尊にまつわる奥の深い深すぎる考えの紹介から始まり、かまちさんの話もありました。

「『徳』とは、体験すること」

「暗記ではなく、記憶すること」

「大事なのは、白が見えているかどうか」

たくさんのことに気づかされ、というか、先生のアトリエに通っていた頃の自分を思い出しました。

先生は変わっていないのだな〜と。

 

その中で、「白が見えているかどうか」という言葉について。

かまちくんは、白が見えていた。

白という色は、光の全部が跳ね返って見えた結果。

白が見えるということは、光を見ていること。

絵で重要なのは、白が描けるかどうかなんです

 

美術教室を営む私にとって、これは名言だなあと。

私の心の教科書に、大きく刻まれました。

この大根。

私は初めて見た絵です。

この大根も、白。

でもただの白じゃないです。

ただの白じゃないのに、やっぱり白… ああ不思議です。

 

絵は、太古の昔も、今も、不思議な力を持っているのかもしれません。

本当に見えている人、そしてそれを表現しようとする人。

絵が人生に寄り添っている、いろんな絵が。

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